Lives in the Balance

iTuneでアップルから音楽をダウンロードして楽しんでいる。ついつい、余計なものまで買ってしまうけど、今日はいい買い物をした。


EaglesJackson Browneを買って聴いた。Eaglesは何をいまさらと言われるかも知れない「Hotel California」。CDは持ってなかったし、そのほかにも何曲か聞き返したかった曲をダウンロードできた。初めてHotel Cariforniaを聴いたのは多分中学生のとき。そのときは、まさかこの地でこれを聴くとは思っていなかった。今日のようにからっと晴れた気持ちのいい日の午後に聴くのもおつな物です。


そして、Jackson Browne。「Lives in the Balance」という、1986年にリリースされたアルバムを買った。もちろん、レコードも買ったし、歌詞も暗記するくらい聞き込んでいた。でも、ここアメリカでこれを聴いたのは初めてだった。そして、強烈なショックを受けてしまった。


Jackson Browneは「Late for the Sky」、「Pretender」、「Running on Empty」などなど、70年代にいわゆる「代表作」を発表しているのだが、80年代に入って社会的、政治的なメッセージ性のある作品を発表し始めると、リスナーから見放されてきたような気がする。しかし、86年に発表された「Lives in the Balance」は、音楽的にも、メッセージ性という意味でも、どちらも素晴らしく、傑作と思っている。(96年の「Looking East」も、同様に素晴らしい)。


日本に住んでいたとき、CA Musicのメーリングリストに入っていて、そこの管理人さんは、80年代のJackson Browneについて、「個人的な内省的な作品は良かった。政治的な内容の作品を書くようになって、輝きは失われた。」と書いていた。また、「Lives in the Balance」ツアー(だったと思う)で来日したときのコンサートでの、日本人の反応に閉口してしまった。みんな古い曲をやれと叫ぶ。Jacksonは新曲中心の選曲でやっているのに、全然盛り上がらない。(96年の「Looking East」ツアーの時もそうだった)。日本人はみな古い曲、内省的な名曲を期待しているのだ。が、僕はまったく正反対に感じている。少なくとも彼の「今」向いている方向を見てあげようと思う。外を向いているときも決して輝きは失われていないと信じている。


今日、「Lives in the Balance」聴いて、このカリフォルニアの土地で聴いて、「これって今のアメリカのそものじゃん!」と思った。まったく今日のアメリカにそのまま当てはまる歌詞。20年前に彼は今のアメリカを予測していたのか。。。日本でこれを聴いていたときはこれといって実感できなかった彼の歌詞が、今日、カリフォルニアで聴いてはじめて分かった気がする。とにかく、自分にとっては衝撃的な出来事だった。


Jackson Browne Fan Siteで、このアルバムについてのこんな記述を見つけた。
The album's imploring title track and the stunning "Lawless Avenues" are masterpieces of music that beg the listener to take a good look at the political landscape of the time. The substance of the songs from Live In The Balance are just as applicable to the world today.
まさに、そのとおりだと思った。

今週のワイン(その2):J Winery 2003 Russian River Valley Pinot Noir。HealdsburgにあるRodoney Strongの隣にあるJ WineryのPinot。Russian River独特のIntenseがありながら、色と香りもよく、心地よい渋みとフルーティさも持ち合わせたワインだった。もうちょっとIntenseを抑えてくれるともっと飲みやすくなるんだけど。ATのうちで「Side Way」を観てから、ずっとPinotが飲みたかったけど、これで少しPinot熱もおさまってくれるといいが。