ガソリン高で思うこと/American Dreamz

ガソリンが高い。しゃれにならないくらいに高い。CAに来て最高だろう。うちの周辺では1ガロンあたり$3.20は下らない。リッター換算すると、95円といったところか。日本に比べればまだまだ安いけど、車社会のアメリカでは経済、個人消費に深刻な影響を与えている。ガソリンって公共料金と思ってもいいくらい、みんなガソリンに頼っているのだ。

ヨーロッパでは1ガロン当たり$6.00程度、というニュースをテレビで観た。しかし、このうち税金は75%も占めている。一方、アメリカではガソリン価格に占める税金はなんと10%だそうだ。ってことは、アメリカのOil Companyが不当にぼろ儲けしているのではと嫌疑をかけられるも納得が行く。もちろん企業なんだから利潤追求はもっともだけど、「不当に」価格を操作して儲けを出すのは、アメリカ大統領でも許さんと思う。一応、歯止めをかけるための対策を打ち出しているが、現状では効果がないみたい。

利潤追求という意味では、アメリカの保険会社もいっしょだ。日本みたいな保険制度がないアメリカでは、民間の保険会社が健康保険を運用している。で、何が起こるかというと、「医療費を少しでも払いたくない」という態度になるのだ。以前、腰痛でカイロに行ったとき、保険会社が契約している調査会社から何度もレターが来て、「何が原因か」、「加害者がいるのか」、「他の保険でカバーできないのか」といったことを何度も聞かれて、やれやれと思った。知人Aさんは友人にちょっとしたことで「どつかれ」て、軽い鞭打ちになって医者に行ったとき、原因を聞かれてつい「友人に叩かれた」と言ってしまったらしい。保険会社は、「医療費は負担できない。友人を訴えて医療費を取るべきだ」と言って来たらしい。友人を訴えられないAさんは、結局医療費を自分で負担したらしい。

もちろん、民間による医療保険制度にもいい点はあるのだけれども(会社/プランを選べたり、「入らない」という選択肢があったり)、何でもかんでも民間で、というのはどうかと思う。サービスがすべて向上するわけではないし、石油会社みたいに「不当に」儲けていると疑われる会社もあるのだし。とにかく、ガソリン価格が下がってくれないと、7月の休みに影響してしまうのが怖いのだ。


映画「American Dreamz」を観た。コメディだったけど、すべての人に勧められる映画ではないし、笑いのツボもいろいろあると思うけど、自分には結構笑えた。イギリス人のヒューグラントってこういう役がぴったり。アラブ人を演じていた人(たち)も最高だった。皮肉な結末が暗示するものは何か、ちょっと考えさせられる。