Steve Morse Band and Dixie Dregs @ Slim’s SF

16日の火曜日に、Steve Morse BandとDixie Dregsのライブに行った。場所は、サンフランシスコのSlim's。2年前と同じ会場で、ここはBoz Scaggsが開いたライブハウスだ。彼らのライブは2年ぶり3回目。日本ではまずやらないライブなので、平日だったが見逃す手はない。期待通りの凄まじいライブだった。

前座のSteve Morse Band(SMB)は、ドラムがVan Romaine、ベースがDave LaRue、ギターはSteve Morseのトリオ。まず、この3人の出す音が物凄い。Steve Morseのギターはもちろん完璧だ。クリアなトーン、ハーモニクスも完璧、正確無比な超早弾きギター。もううっとりする。Dave LaRueとの高速ユニゾンももう最高。今回、Van Romaineのドラムもタイトでいい音だった。かなりテクニカルな部分が強調され、好きでない人にはつまらないかもしれないが、好きな人にはたまらない。途中、Night RangerのJeff Watsonが一曲飛び入りで参加。ツインギターの掛け合いも楽しめた。
Dixie Dregsはもう説明のしようがないくらい素晴らしいライブだった。メンバーは、ギターとベースはSMBと同じで、バイオリンのJerry Goodman、ドラムのRod Morgenstein、キーボードのT Lavitz。全員のソロが全編にちりばめられていて、5人の誰を見て良いのか迷う。リズムの難しいし、ついてゆくのが精一杯だったが、彼らの音を生で聴けるというのはやっぱり凄いことだ。中でもやっぱり見逃せないのは、Rod Morgensteinのドラムだろう。上手いのは当たり前だし、ストロークの速さと正確さは言うまでもないが、この人のタッチと音色が柔らかくて良い。左利きドラムセットを右側から観たのだが、スナップの柔らかさが良く分かってよかった。そしてベースのDave LaRueがバンド全体の音を良く引き締めていた。この5人、どんなに凄いことをやっても余裕を感じさせる。こいつら笑ってるよ、って感じ。超絶テクニックの応酬に酔いしれた。

アメリカ人って単純な音楽が好きなんだと思っていたけど、こんなバンドを好きな変わった人たちも結構いるものだ。狭い会場には人が溢れていたが、それもオジサンばっかり。この連中、曲の決めの部分をよく把握しており、変拍子っぽい複雑なキメでもタイミングよく腕を振り上げているのを見て、「なんてやつだ」と思って笑ってしまった。でもまてよ、こんなバンドを見て喜んでいる自分もまた変わった趣味の持ち主なのかもしれない。楽器をやっていたりしていた人以外には勧められないもんなあ。でもまあ自分にとっては貴重なライブを観られてよかった。